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日本バーナード・ショー協会ホーム・ページ
Bernard Shaw Society of Japan
会長:森川 寿 和歌山工業高等専門学校名誉教授
事務局:大浦 龍一方 〒353-0007 志木市柏町3-3-31-203
email: obssj@yahoo.co.jp
前回行事
2018年10月10日
2018年度 日本バーナード・ショー協会秋季大会
日 時:11月24日(土)13:00 ~ 16:00
場 所:名城大学天白キャンパス共通講義棟北(北館、N棟)4階N401教室
最寄り駅は地下鉄鶴舞線塩釜口駅。名古屋駅からは地下鉄東山線藤ヶ丘行きで一駅(3分)の伏見駅で、 鶴舞線豊田市・赤池行きに乗り換えて17分ほどで塩釜口駅着。改札口を出て出入り口1(出た左手に吉野家がある出口)まで階段を上り、その出口を右に(飯田街道を八事方面へ)しばらく行き、最初の信号(郵便局が近くにある)ところに名城大学正門入口あり(8分ほど)。構内をひたすら直進した突き当りにある北館(N棟)のエスカレーターで4階まで。 https://www.meijo-u.ac.jp/about/campus/tempaku.html
役員会:12:00 ~ 13:00
開会式:13:00 ~ 13:10
研究発表:13:10 ~ 16:00
松本 望希氏: The Doctor’s Dilemma を通して見る医療倫理
Medical Ethics in The Doctor’s Dilemma
大塚 辰夫氏: 『ブラスバンド船長の改宗』の翻訳にあたり
How I translated Captain Brassbound’s Conversion into Japanese.
森岡 稔氏: 『武器と人』における「理想」と「現実」:ユングの「個性化」を通して
‘Ideal’ and ‘the Real’ in Arms and the Man: Through Jungian ‘Individuation’
* 懇親会を大会終了後(17:00~19:00)に開催します。会費は5,000円です。
* 出欠を11月16日(金)までに、Eメールもしくは葉書で下記にご連絡ください。
大浦 龍一:〒353-0007 志木市柏町3-3-31-203 E-mail:obssj@yahoo.co.jp
お知らせ
*第5回バーナード・ショー・セミナーのテーマを募集しております。
* 2019年度春季大会を2019年6月に十文字学園女子大学巣鴨サテライトで開催する予定です。発表者は募集中です。
* 2018年度会費を納入してください(5,000円、ただし学生及び年金生活者は3,000円)。協会の領収書をご入用の方は、払込取扱票通信欄にその旨を御記入ください。
ゆうちょ銀行振替口座:00800-7-118554、加入者名:日本バーナード・ショー協会
発表内容
The Doctor’s Dilemma を通して見る医療倫理
Medical Ethics in The Doctor’s Dilemma
松本 望希
本発表では、『医師のジレンマ』(The Doctor’s Dilemma, 1906)における医師の表象に着目することで、20世紀初頭の英国社会における医療倫理がどのように描かれているか検討する。先行研究においては、「悲劇」という副題に関連し、しばしばそのジャンル性について議論されてきた本作品であるが、他方で、リジョンをはじめとする医師たちは道徳性を欠いた存在であり、徹底的にショーのsatire の対象として提示される。「悲劇」が不在である本作品において、ショーが描き出したのは、人間の身体及び精神に対する医療技術の優位性ではないだろうか。『医師のジレンマ』と同じく、医療問題を扱った作品である『恋をあさる人』(The Philanderer, 1893)
との比較を行いつつ、1870年代より起こった生体解剖論争にも注目し、ショーが自らのテクストで示した医療のあり方について考察する。
『ブラスバンド船長の改宗』の翻訳にあたり
How I translated Captain Brassbound’s Conversion into Japanese.
大塚 辰夫
Captain Brassbound’s Conversionを翻訳するにあたり特に留意したことは、次のことです。
各登場人物の台詞をいかに人物なりの日本語にするか。大方の現代の日本人に理解可能な日本語表現にするかということです。この原作にはすでに翻訳がありますが、ずいぶん古いものであるだけに、現代の日本人にはおよそ理解が困難で、また、読んで面白くはない読み物でしょう。そこで今般、この点を意識して現代風の日本語に改めた、ということです。
さらに、訳出にあたり留意したことは、Cockneyの台詞です。これについては、British native speakerの協力を得ました。それでも、現代のネイティブスピーカーでさえ理解不能な語彙が使用されていることは、大いなる困難があったということです。こういう点についても言及したい。
『武器と人』における「理想」と「現実」:ユングの「個性化」を通して
‘Ideal’ and ‘the Real’ in Arms and the Man: Through Jungian ‘Individuation’
森岡 稔
『武器と人』(1894)のテーマは、「理想と現実」である。戦争を美化する社会をショーは風刺し、現実に真剣に向き合う実人生を勧める。現実を直視することを支えるのは「生の力」であり、自己実現を休むことなく追究するユングの「個性化」である。三角関係となるのは、ペトコフ少佐の娘ライーナ、彼女の許婚のブルガリア軍少佐のサージァス、セルビア軍のスイス人傭兵ブルンチュリである。この劇は一見、「理想」を棄て「現実」を見据えることを奨励しているようであるが、はたしてそうなのか。ショーが嫌うのは、最初に「理想的幻想」があって、そのあとに実人生がある人生設計である。「生の力」「個性化」はゴールである「自己」に向かう自己実現であるので、めざすのは「理想」に他ならない。ショーは「現実認識」という、地に足を着けた実行力を身に付けた上で、「理想」を追求したのであるから、いわば究極のロマンチストだと言える。「アニマ」「アニムス」「影」といったユング心理学の「元型」を用いて登場人物の類型をさぐり、劇における「個性化過程」を見ていきたい。