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日本バーナード・ショー協会
The Bernard Shaw Society of Japan
会長挨拶 森川 寿(和歌山工業高等専門学校 名誉教授)
「毎年ショー・フェスティバルが開かれるカナダのナイア
ガラ・オン・ザ・レイクにて、ショーの銅像の前で」
日本バーナード・ショー協会は、初代会長となった市川又 彦早稲田大学名誉教授の肝煎りにより1971年11月に創
立され、以来40年あまり、ジョージ・バーナード・ショー
George Bernard Shaw (1856-1950) の芸術と思想に興
味のある者が集まって研究をしてきました。
バーナード・ショーの活躍は多岐にわたり、フェビアン協会の指導的な社会主義
者として経済論文を書き、音楽評論や演劇評論でも健筆を振るいましたが、何と
いっても 『人と超人』、『ピグマリオン』、『聖女ジョウン』など全部で50数編を数え
る戯曲が彼の最も重要な著作です。ショーの戯曲は笑いを武器としていて、観客
は登場人物の奇行や愚かしさを笑いながら、それが自分自身にも当てはまること
に気づかされます。
作品の中で、ショー は貧困、階級問題、女性の地位、結婚制度、帝国主義や戦
争など、当時の大英帝国が抱える多くの矛盾を暴き立てました。ショーが取り上
げた問題は既に解決されたと主張する人もいますが、100年前のイギリスの課題
は、21世紀の今日、形を変えて、全世界が文明の生き残りをかけて考えなければ
ならない状況に陥っています。
私たちの協会では、6月に春季大会、11月に秋季大会を催し、会員の研究発表
や外部講師による講演を聴いています。近年では、ショーに限らず、同時代の劇
作家に関する発表もあります。さらに、これまで3月と9月に開いていた年2回の作
品研究会を、2015年度から9月の1回にまとめて、パネル・ディスカッションを中心
としたバーナード・ショー・セミナーを開くことにしました。記念すべき第1回は9月
26日(土)に熱海で 「ショーとアイルランド」 という トピックで行いました。 会員で
なくても、興味のある方は是非お立ち寄りください。
ショー協会の会員は少ないですが、それだけにアット・ホームな集まりです。
当協会が、 ショーの戯曲のように、真剣な研究と余裕のある笑いを共有しあえる
場であり続けることを願っています。
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